「盲目のギタリスト」 ~ ミュージシャンの裏側

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「盲目のギタリスト」

私の仕事仲間であり、友人でもあり、時には良きライバルともなる、あるギタリストについてご紹介します。
彼は、目の病気にかかり、年々視力を失いつつあります。先日のレコーディングで彼と一緒になった時、彼は、現在の病状について話してくれました。
病気の進行は思ったよりも早く、今はほとんど色彩感覚がないそうです。でも、彼の口調や表情には、悲壮感や絶望感はみじんも感じられず、むしろ明るく淡々としていました。
視力を失いつつある彼の瞳には、自分の境遇や運命をありのままに受け入れ、身をゆだね、自然体で生きていくという、揺るぎない覚悟と決意にあふれていました。
何が彼をそんなに強くさせているのだろうかと考えた時、私は、ふと自分自身の弱さや甘えに気付かされたような気がしました。
見えることは当たり前。聴こえることは当たり前。五体満足で当たり前。それでいて、いつも何かが足りなくて、絶えず何かに不安や不満を感じている自分。
そんな私自身は、いかに弱く、また傲慢であったかと痛感させられた瞬間でした。
彼は、視力を失いつつある目を閉じ、一心不乱に音を奏でます。
全神経をメロディーに集中させ、奏でられるそのメロディーは、次第に深みを増し、研ぎ澄まされていくように私には感じられます。
私は、謙虚な気持ちで自分自身を省みると同時に、改めて今こうして生かされていることに対する感謝の思いを胸に刻み直したいと思いました。


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